自分が入る墓をどうするか(イメージ)
夫婦で幸せな老後を迎えるための準備で重要なのが、「何をいつやるか」というタイミングである。お墓をどうするかという問題について、“終活博士”として知られる行政書士で終活アドバイザーの松尾拓也氏にアドバイスをもらった。
松尾氏は行政書士のほかファイナンシャルプランナーやお墓ディレクター1級、相続診断士など多数の資格を持つ終活博士。昨年6月に上梓した著書『「おふたりさまの老後」は準備が10割』(東洋経済新報社)が版を重ねてベストセラーとなっている。
夫婦で先祖代々の墓に入るか否か。いずれ決断が求められる問題だ。松尾氏はこう語る。
「先祖代々の菩提寺が遠方にあり、子供たちに墓参りの手間をかけさせたくないという場合は『墓じまい』をして自分たちは新たな墓に入ることが選択肢になります。この際は菩提寺との打ち合わせ、市役所での行政手続き、石材店への撤去依頼など煩雑な手続きが多く、要介護になってから対応するのは現実的ではない。後期高齢者になる前、70代前半までが目安です」(松尾氏。以下「 」内同じ)
新たな墓に入る場合、近年は安価な納骨堂や樹木葬が人気だが、注意すべき点もある。
「永代供養墓を選ぶ際に初期費用ばかり重視する人が多い。例えば、納骨堂の中には毎年管理費がかかるケースもあります。『納骨堂50万円』といった広告に惑わされないように注意。また、一定期間を過ぎると合祀墓へ移され最終的に他の骨と一緒に合祀される納骨堂が多いのですが、その期間はお墓によりまちまちです。数年で合祀墓に移されるケースもあるので、事前によく調べることです」