「トカイナカ」なら家賃は都心の10分の1
多くの高齢者は子供に資産を遺そうと無理な節約をし、現実に高齢者の金融資産は死の直前が最も多い。だが自分が築いた資産は子供など親族には遺さず、生きているうちに使い切ることが鉄則だ。
そもそもお金を墓に持っていくことはできない。1億円といった大金ではなく、数百万~1000万円程度の遺産ほど「争族」が生じやすい。老後資金を貯めて収入を増やすべきという発想は捨て、年金と現在の貯蓄の範囲内で生活できるように支出をコントロールして生きることを考えたい。これを最もラクに実現するコツは、「住まい」を変えることである。
私は28歳の時に都心から電車で90分ほどかかる埼玉県所沢市に戸建て住宅を購入して移住し、都会生活を捨てた。現在、家族3人の生活費は月10万円ほど。家賃は都心の10分の1程度で、物価も肌感覚では3割くらい安い。それでいて都心にも出やすく、病院通いも苦にはならない。夫婦で月15万円程度の年金収入でも十分に生活することができる。この「トカイナカ」で暮らすことこそ、老後にお金の心配をせず、健やかに過ごすカギなのだ。
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※週刊ポスト2025年2月7日号