鑑定結果に納得できなかったが、その弁護士からは「相続税がかからなくてよかったじゃないですか」と言われた。私としては100年後にはB宝館のゴミが宝に変わり、世界遺産に登録されることを信じている。結局、家族の中で唯一私のコレクションに理解を示した次男が継承することが決まり、コレクターとしてのけじめがついたと安堵した。どうしても捨てられない大切なものは、「人に譲る」という選択肢があることを知ってほしい。
仕事関係では私ががんになって開けたスケジュールの穴を長男の康平が埋めてくれた。「世襲ではないか」と言われたが今ではメディア出演も増え、経済アナリストとしての事業継承はスムーズに進んだと思う。
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※週刊ポスト2025年2月7日号