菅田将暉と有村架純がダブル主演を務めた映画『花束みたいな恋をした』(2021年公開)が、1月10日にTBS系列で地上波初放送となり、再び注目を集めた。同作で菅田が演じた「麦」は、社会人になり仕事に追われるなかで、小説やマンガ、音楽といった、趣味に時間を費やすことができなくなってしまう──。
しかし、麦に限らず、社会人になってからサブカルチャーに時間やエネルギーを費やすことができなくなった、という人は珍しくないのかもしれない。昨年、新社会人となった、いわゆる“サブカル好き”を自認していたZ世代の若者たちの中にも同様のケースは多いようだ。そのリアルな声を集めた。
アニメも「すでに観たことがあるもの」をBGMがわりに
「『花束みたいな恋をした』は、身につまされてしまって楽しく観られなかったです。まさに俺のことじゃないか、と……。インフラ系の企業に就職してからは、仕事で頭がいっぱいになってしまい、通勤中などの移動時間は電車で寝るか、ソシャゲをするだけです。
家に帰ってからも、頭を無にしていたいので、YouTubeでひたすら野球関連の解説動画を流すか、ソシャゲをしているだけ。学生時代までは少年誌から青年誌まで、漫画雑誌が発売されると毎週リアルタイム読んで追いかけていたし、アニメも新作を欠かさずチェックしていたんですけどね。今ではその気力がまったくないので、アニメを流すにしても一度観たことがあって話を知っているものばかり。最近は『コードギアス』とか『機動戦艦ナデシコ』とかを、BGMがわりにTVで流しましたね」(Aさん/20代男性)