不動産事業の中核を担うサンケイビル
同HDの有価証券報告書(2024年3月期)によると、不動産関連の資産(建物及び構造物、土地、建設仮勘定)は合わせて5200億円超に上る。フジテレビのお台場本社ビルや湾岸スタジオなどのほか、「株式会社サンケイビル」名義では、2001年に建て替えられた東京サンケイビルが970億円の帳簿価額とされるが、現在はさらに高額の価値を有す可能性もある。
不動産ビジネスを担うこの「株式会社サンケイビル」は日枝氏がフジ・メディアHDの会長兼CEOだった2012年に連結子会社化された。
「サンケイビルグループの不動産事業は幅広く、住宅やオフィスの賃貸・販売事業のほか、2015年に子会社化した『グランビスタ』ブランドでホテル事業も展開しています。『鴨川シーワールド』やゴルフ場の業績も堅調で、近年はホテルやレジャー事業がインバウンド効果でさらに伸びている。利益面における、フジサンケイグループ最大の中核企業です」(天野氏)
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※週刊ポスト2025年2月14・21日号