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ビジネス

米巨大AI事業をめぐって「孫正義&アルトマン陣営」と「マスク陣営」が対立 マスク氏には“早く潰しておかないと自分たちの利権が食い荒らされる”の危機感も

トランプ氏が目論むAIによる黄金時代

 巨大AI事業をめぐって「孫正義&アルトマン陣営」と「マスク陣営」が対立する構図となり、トランプ新政権に不協和音が生じるのではないかと見る向きもあるが、国際政治経済学者の浜田和幸氏はこう言う。

「この対立はトランプ氏にとって決して悪いことではないでしょう。双方に“もっとお金を集めなければ”“技術を革新させなければ”と競争させることで、トランプ氏は漁夫の利を得ることができる。トランプ氏はAIによる黄金時代の到来に繋がるだろうと目論んでいるのではないでしょうか」

 孫氏は昨年12月、大統領選の決着後にいち早くトランプ氏のもとを訪れ、米国のAI事業に1000億ドル(約15兆円)を投資することを表明。それが今回の巨大事業への参画へと繋がっている。

「孫氏は大風呂敷を広げてしまう人ですから、本当にそれだけの額を出せるかは定かではありません。トランプ氏としても細かいことは気にせず、日本からデカい投資話を持ってきてもらって景気よく新政権をスタートできればそれでよかったのだと思う。ホラ吹き同士で意気投合したという感じでしょうね」(大西氏)

 一方、トランプ氏といえばかつてテレビ番組で司会者を務めていた頃に「You’re fired(お前はクビだ!)」の決めセリフで有名になり、その通りの直情径行型の性格で知られている。第一次政権(2017~2021年)でも閣僚を次々とクビにして入れ替えてきた。孫氏も何かのきっかけでいつ切り捨てられるか分からない。

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