スキマバイトで人材募集する際の注意点とは(イメージ)
“スキマ時間”を活用した「スキマバイト」が注目を集めている。求職者は「スキマバイト」のスマホアプリ経由で手軽に働き口を探せる一方、人材募集をかける事業者の中にはどんな人が応募してくるかわからず不安を抱えている人もいるようだ。「スキマバイト」サービスで人材を募集する際、どういった点に注意すればよいのか、弁護士の竹下正己氏が実際の法律相談に回答する形で解説する。
【質問】
飲食店を営んでいます。人手不足に悩んでおり、いわゆるスキマバイトのシステムを活用してみようと考えています。ただ、どんな人が応募してくるのかわからず、不安があります。こういうシステムを利用する人は、店と深い接点を持ちたがらないはずで、それでも事前の面接を行なったほうがよいですか。
【回答】
ご質問の悩みが、うまく理解できません。「スキマバイト」は短時間だけれども、自分の店で働いてもらうために労働契約を交わすことですから、面接で人柄などを知っておくのは、至極当然なこと。
飲食店だと厨房、接客、レジ、出前などの作業があり、どの仕事を頼むにしても、店の一員として働いてもらうので、評判を落としたり、客の信頼を損ねたりしないような仕事をしてもらわなければなりません。
そういう意味で、衛生観念の低い人に、厨房を手伝わせるわけにはいかず、乱暴な言動をしがちな人に接客させると、余計なトラブルの原因になります。もちろん、適材を得ることは困難です。ただ、アルバイトであっても、職種に合わない人を働かせ、その結果、店の仕事でした行為によって事故が起きれば、信用は失墜し、事故の大きさによっては使用者責任により、賠償義務を負うことになります。たとえ出前専門でも事故を起こせば、バイトである以上、店の使用者責任は否定できません。