「させていただきます」連発に「慇懃無礼に感じる」
家電量販店で店頭に立つBさん(26歳/男性)は、仕事柄、日常的に敬語を使うのはマストだが、「適切な使い方はいまだによく分からない」と難しさを吐露する。
「いろんなお客さまがいるので、敬語も全員になるべく失礼のないようにと思って、“お調べさせていただきます”“お取り寄せさせていただきます”など、“させていただきます”を連発していたら、上司に『君の敬語は慇懃無礼に感じることがある。お調べします、お取り寄せ致します、でいい』と言われて……」(Bさん)
“させていただきます“の多用には注意が必要だと学んだBさんだが、敬語にまつわる悩みは止まらない。
「メールで、先輩に“○○といった事例はありますでしょうか”と聞いたら、“ありますか”か“ございますか”、あるいは“ございますでしょうか”でいいと言われました。ただ、何が変なのかわからず、別の先輩に変か聞いたら『オレはそんなに気にならないけど』って。相手によって受け取られ方が変わるのって、難しいですよね」(Bさん)
上司にメールで「オッケーです」「おつです」
社会人になる前の一歩となる就業体験といえばアルバイトだ。学生時代に書店でバイトしていたCさん(23歳/女性)は、現在IT企業勤務。「バイトではビジネスマナー的なことを一切教わらないまま社会人になってしまった」と明かす。
「バイト時代、上下関係はしっかりしていましたが、とにかく『和気藹々と楽しくやろう』の雰囲気が強い職場で、ノリとしては大学のサークルに近かった。ある程度の無礼講が許される環境でした。それで円滑にコミュニケーションが取れていたし、『多少言葉遣いが下手でも、相手に不快感を与えないことが大事だよ』と教わったので、それでいいと思っていました」(Cさん)
そんなCさんが社会人になり、まず社内で注意を受けたのは、上司に対する「オッケーです」「おつです」といったメールの文言。Cさんは「うちの社内はカジュアルな雰囲気だから、カジュアルな言葉でいいかと思ったけど、上司にその言葉はダメだって言われました」と苦笑いだ。