敬語の使い方は難しい(イメージ)
入社シーズンを前に新社会人が直面する問題のひとつが、正しく敬語を扱えるかどうか。昨今はビジネス上でテキストコミュニケーションが発達していることも影響し、“敬語の使い方”に戸惑う若者は少なくないようだ。ただ上司世代からすればギョッとする言葉遣いでも、下の世代にとっては当人なりの葛藤がある。Z世代の“敬語に対する本音”を探った。
「失礼のないようにという意識が先行して…」
新卒1年目で、ゲーム制作会社に勤めるAさん(22歳/男性)は「失礼のないようにしなきゃという意識が先行しすぎて、保険をかけまくってしまう」という。
「常に、『この使い方で合っているのか』と不安です。そのせいで、とりあえず過剰にしておく癖がついてしまい、とにかく『お、ご』をつけたり、二重敬語になったりしてしまう。以前、メールで『ご無理のない範囲で拝見していただければ幸甚です』という文章を送ってしまい、上司に“敬語をつければいいってもんじゃない”と呆れられたことがあります」(Aさん)
“拝見”は自分をへりくだる時に使う表現で、この場合に使うのは不適切。書くとしたら「ご覧いただければ」がスマートだろうが……「謙譲語と尊敬語の区別がムズい」というAさんは、「拝見してください、って、男性タレントがテレビで言ってたんですよ。だから使っていいのかと思ったのに」とボヤく。
「自分にとっては年上であるタレントが使っている言葉なら間違いないかと思い込んでいたのですが、そうでもないですかね。しかもネットで検索すると、“こうすればいい”という表現がたくさん出てくるため、何が本当の正解なのかがわからない。ネットはネットで人によって矛盾するようなことまでいろんなことが書いてあるので、カオスです」(Aさん)