原材料費や物流費、人件費の高騰などで、多くの飲食チェーンでは値上げを避けられない状況となっている。元来手軽に利用できるはずのファミリーレストランでさえも、ちょっとした贅沢になりつつあるのが現状だ。
2月13日から価格を改定すると発表したのは「ロイヤルホスト」だ。値上げとなるのは、グランドメニュー全51品中43品、ランチメニュー、テイクアウト商品など。値上げ幅は、税抜きで30円から250円だという。飲食業界に詳しいライターの小浦大生氏はこう話す。
「200円以上も値上げするメニューがあるという点は、それなりのインパクトです。たとえば定番の『150g厚切りアンガスサーロインステーキ』は220円の値上げで、税込価格で3000円を超えます。もともとロイヤルホストはファミレス業界の中でも“高級路線”ですし、ステーキはそもそも高級なメニューではありますが、ファミレスの定番メニューが3000円超えというのは、一昔前なら考えられないことでしょう」
ファミレスのモーニングメニューのお得感
ロイヤルホストに限らず、ドリンクバーをつけて普通に食事をすると、1人2000円ほどかかることも珍しくない最近のファミレス事情。安く手軽に食事したいユーザーにとっては、もはや高嶺の花なのだろうか。都内に住む会社員のAさん(40代女性)は、「最近ファミレスで食事をするのはコスパがよくないけど、モーニングはおすすめ」だと話す。
「ファミレスのモーニングメニューは、ディナータイムのメニューに比べれば圧倒的に安い。しかもドリンクバーがついているメニューも多く、割安感も大きい。私がよく行くのはデニーズで、『セレクトモーニング』の『サニーサイドアップモーニング』(682円)を注文することが多いです。目玉焼きとサラダ、ベーコン、ソーセージに、トースト(パンケーキ、グリルドチーズサンド、ごはん・みそ汁セットなどを選ぶこともできる)とドリンクバーがついてこの値段なのはいいかなと。ドリンクが何杯も飲めることを考えると、コーヒー1杯500円ぐらいのカフェに入るよりもお得です。
私の場合、出社日に少し早く家を出て、ファミレスに朝8時ぐらいに入り、モーニングタイムで2時間ほど作業をしてから会社に行くというパターンが多いです。モーニングに行くという目標があると、1日の時間を有効に使えるのもメリットだと思います」
Aさんと同様、午前中の時間帯に“朝ファミレス”を利用するビジネスパーソンは少なくないようだ。
「私が行っているお店は各席にコンセントがあることもあって、朝から仕事をしている人も結構います。お昼が近づいていくると、ランチのお客さんが来るので、遅くとも11時前には引き上げるようにしています」(Aさん)