後日の紛争を回避するためには、所在地を確かめる必要があります。登記所で隣地の登記情報を取り、所有者の氏名・住所を確認してください。登記上の住所が隣地の住所であれば、転居して登記だけ変更していない可能性もありますから、役所で住民登録を確認し、転居先を調査することをおすすめします。
隣地の住所地以外の所在地がわかれば、その場所に越境枝の切除を求める催告書を送ってください。仮に住民登録の変更がない場合は、居所を突き止めることは困難と思いますが、その場合でも、隣地あてに催告書を送り、転居先不明との理由で返送されることで【2】の要件を充足することができます。
隣地所有者の所在不明を理由として枝を伐採するためには、隣地に立ち入る必要がありますが、民法209条で枝の切り取りのために隣地に立ち入ることができます。
とはいえ、塀があって、門扉を壊すなどしなければ任意に入れない場合は、勝手に壊して入ることはできません。その場合は、隣地所有者を被告として、立ち入りの妨害排除を求める裁判を提起し判決により、立ち入りができるようにする必要があります。
所在不明でも公示送達という方法で裁判の書類を送ることができ、訴訟提起が可能です。しかし素人では難しいので、一度弁護士に相談してください。
※女性セブン2025年2月20・27日号