横綱の化粧まわしは太刀持ち、露払いとの三つぞろいになる
横綱の場合は太刀持ち、露払いとの「3枚セット」に
気の遠くなるような仕事だが、横綱に昇進した豊昇龍のケースでは太刀持ちと露払いの化粧まわしとの3枚セットとなる。昇進直後は三つ揃えの化粧まわしは納期が間に合わない。そのため、豊昇龍は雲竜型土俵入りの指導を受けた出羽海一門の武蔵川親方(元横綱・武蔵丸)の化粧まわしで明治神宮での新横綱の推挙式と奉納土俵入りをした。
「横綱昇進が決まってから発注するため、通常の納期では翌場所の土俵入りにも間に合わない。だが横綱として初の本場所での土俵入りということで、部屋の後援会も頑張るだろうし、関係者も協力する。なんとか間に合わせるのではないか」(相撲ジャーナリスト)
2017年1月場所後に第72代横綱に昇進した稀勢の里(現・二所ノ関親方)は、一門の元横綱で“土俵の鬼”の異名を取った初代若乃花が締めた鬼の図柄の化粧まわしを借りて明治神宮での新横綱の推挙式と奉納土俵入りをしている。そして翌3月場所の土俵入りには部屋の後援会から贈られた赤富士と鶴が飛翔している絵柄の真新しい三つぞろいの化粧まわしで土俵入りを行なっている。
翌5月場所前に横綱昇進披露パーティを開催し、「北斗の拳」のケンシロウ、ラオウ、トキが描かれた化粧まわしなど、合計4組の化粧まわしが贈られている。豊昇龍も同様のスケジュールになると見られている。
気になる値段だが、「刺繍によって違うが1枚200万~300万円。横綱の化粧まわしは横綱、露払い、太刀持ちの3枚が必要なため、1000万円を超えるものも少なくない」(二所ノ関一門の後援会関係者)という。
多くの関係者の思いが込められた化粧まわしを締めた豊昇龍が、引退した照ノ富士に代わって一人横綱の重責を担うことになる。それに際して動く金額も、決して小さくはないわけだ。
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