“業界の健全さ”が問われるパチンコ・パチスロ業界(イメージ)
パチンコ・パチスロメーカーのベルコは、1月31日、昨年12月よりホールに導入されている、同社が製造販売するパチスロ機『Lスーパービンゴネオ』を自主回収すると発表した。ホールの撤去時期に応じた価格を設定したうえで、同機の買い取りを行うとのこと。パチスロメーカーの業界団体である日電協(日本電動式遊技機工業組合)が定める、適度な射幸性の維持を目的とした自主規制に抵触したことが理由だという。
パチンコ・パチスロにおいて、規制の対象となるのが射幸性だ。射幸性とは、偶然によって利益を得られる度合いのこと。“ギャンブル性”と言い換えることもできるだろう。パチンコ・パチスロで射幸性が高い機種というのは、大きな出玉を獲得できる性能を備えた機種のことであり、裏を返せば大きく負ける可能性も高い機種ということにもなる。そういったハイリスク・ハイリターンな機種は、ユーザーの射幸心を煽り、依存症につながる可能性があるとして、自主規制の対象になりうるのだ。
今回のLスーパービンゴネオの自主回収については、「コンプリート機能」の達成率が、想定を大きく上回ったことが原因だと指摘されている。「コンプリート機能」とは、パチンコやパチスロの出玉性能を制限するための機能で、現在新たに製造されるすべての機種に搭載が義務付けられている。同一営業日内で、出玉がもっともマイナスになったところから計算して、最大出玉が規定数に達したら、コンプリート機能が発動し、強制的に遊技が終了となる。パチンコであれば、もっともマイナスになったところから9万5000発、パチスロであればもっともマイナスになったところから1万9000枚でコンプリート機能が発動する。パチスロ事情に詳しいジャーナリストの藤井夏樹氏はこう話す。
「日電協の自主規制では、コンプリート機能発生率は0.1%未満にするという取り決めがありますが、Lスーパービンゴネオはそれを大きく上回っていたと言われています。それだけ射幸性が高い機種だったということが判明した結果、自主回収ということになったわけです」