『Lスーパービンゴネオ』の基本情報(公式ホームページより)
過去の機種回収のケースはどのようなものだったか
パチスロの自主回収というケースは、過去にもいくつか例がある。今に比べて射幸性が著しく高かった1990年代後半から2000年代前半にかけての“4号機”の時代は、同時に複数の機種が回収されることもあった。
「2002年ごろのパチスロの4号機はとにかく出玉の爆発力が高く“一撃2万枚、3万枚”といったことが決して珍しくはありませんでした。当然著しく射幸性が高いということで問題になり、『ミリオンゴッド』(ミズホ)、『アラジンA』(サミー)、『サラリーマン金太郎』(ロデオ)といった機種が、メーカーによって自主回収されました。ただ、こういった機種はユーザーからの人気も高く、回収に応じないホールも少なくなかったのも事実です。結果的になかなかホールから消えない状況が続き、その後これらの機種は“検定取り消し”となり、ホールに設置すること自体が禁止となりました」(藤井氏、以下「」内同)
射幸性が高すぎる機種は、ハイリスクハイリターンであるがゆえに、大勝ちすることもあり、それがユーザー人気につながりやすい。一方でユーザーが大負けをすることも当たり前のように起こる。従って、ホールとしても“利益が取れる機種”として重宝するケースは少なくない。だからこそ、回収が進まないこともあるのだ。
一方で、ホール側が損をしてしまうということで、自主回収になった機種もある。
「2011年導入の『パチスロサクラ大戦3 ~巴里は燃えているか~』(サミー)は、ハイリスクハイリターンな機種ではなく、他の機種に比べてかなりスペックが甘い機種でした。つまり、ユーザー側からすれば、勝ちやすい機種だったということです。逆にホールにしてみれば、利益が取れないということになり、ホールからメーカーへと多くの苦情が寄せられたといいます。結局その後、メーカー側が回収し、さらに代替機との入れ替えとなりました。何らかの攻略法が発覚して自主回収となるケースはたまにありますが、何か明確な不具合があったということではないにもかかわらず、“甘すぎた”ということで回収になったのはレアですね」
また、単純な不具合が見つかったことで、自主回収となったケースもある。
「2013年に導入された『パチスロ信長の野望 -天下創世-J』(ニューギン)では、本来出玉が増えるべき状態に移行できないという“バグ”が見つかりました。つまり、“当たっているのに、出玉が減ってしまう”という不具合が発生したわけです。パチスロ機では多少のバグのようなものの存在が噂されることもありますが、こういった形でユーザー側が明らかに損をするケースは珍しいです」