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中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

「トイレに行って良い時間が決められている」他、合理性が見いだせない“職場のバカルール”の数々 結局は管理職の自己保身と責任回避のためのものか

元々は改善しようとした取り組みだったが…

 このようなバカルールは他にもあるのではないかと思い、Xで募ったところ、皆さん思うところがあったのでしょう。次々と情報を提供してくれたのでその一部紹介します。様々なレベルで存在するため、「まぁ、理解できる」から「想像の範囲外」まで多岐にわたります(以下、「」内は、Xで寄せられた意見をもとに、一部文章を調整したものです)。

「『立って会議をやれば生産性があがる』と当時の社長が言い出し、5~6時間全店長レベルが立ちっぱなしで話を聞かされ、疲れてみな集中力なくなるなんてことはありました」

 これなんかは、改善をしようとした取り組みです。しかし、元々「立って会議をやる」の意味は、会議の時間を短くし、生産性を上げることが目的だったわけです。長い会議になるのであれば、座ってやっても問題ないでしょう。

「居眠りをしないように、仕事の効率を上げるようにとデスクワークの椅子を全て取り払いました。それだけなら良かったのですが、立ったままでは今まで使っていたデスクが低いからと、デスクの脚を加工して高くしました」

 これについては、本末転倒も甚だしいし、疲れている時も立たなくてはいけないのは苦痛です。

 さて、今回多かったのが、前出・A氏の会社の「作業着からポケットをなくす」と同様、何か1件問題が起きると全体にその対策を課すというものです。たとえそれがレアケースであっても、「ゼロ」にしなくてはいけないと考え、過剰対策になってしまうのです。

「カッターナイフで怪我した奴がいるから、カッター使用禁止に。ガラスコップで怪我した奴がいるから、ガラスコップ洗う時はゴム手必須に。什器の角で怪我した奴いるから全ての什器の角に保護スポンジ貼り付け」

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