登坂車線で道を譲ってくれた大型バスの慎重に追い越す。急激なアクセル操作は禁物だが、上りでも確実に圧雪路を捉えて追い越していく
国道17号線の新三国トンネルを抜けると新潟県に入る。除雪されたフラットな圧雪路で不安のないドライブ。下りでもステアリッグもブレーキもしっかりと効いてくれる
しっかりと圧雪路を捕まえながら確実にトラクションを路面に伝えている
10cmほどの深雪でも、躊躇なく走れる。ただあまり無理をするとお腹を擦ったり、亀の子になってスタックする可能性もあるので、注意が必要
トータルで考えるとお得かも
一方で、新潟にいる友人たちや実家の家族に今回の試乗結果を伝えても、まだ懐疑的です。もちろん雪国の人にとって、今も “冬タイヤ”として「スタッドレスが最善」という事実に変わりはありません。それでも「シンクロウェザーだけで1年を過ごしたい」という人がいれば「反対はしないレベル」までに仕上がっている印象です。
雪はますます激しくなり、ホワイトアウト寸前の状態。速度を落とし、慎重に湯沢温泉へと下る。シンクロウェザーの走りは安定している
今回携行した「ISSEスノーソックス・スーパーtypeII」ですが、結局は出番なし。せっかくなので耐久性や制動力が向上した進化版スノーソックスを南魚沼で試しましたが、相変わらず静かで振動もなくスムーズに加速や減速ができます。路面への食いつきもさらに向上していてブレーキングやコーナリングでの不安はありませんでした。走行距離にして5kmほど色々な雪道やアスファルトを走りましたが、ほつれや破れはありません。
ここで「シンクロウェザー+スノーソックス」でタイヤ交換不要という、ひとつの“冬スタイル”が見えました。残る問題は価格です。
今回装着した「175/65R15」というサイズの価格を比較サイトで見ると、シンクロウェザーは1本2万1450円、4本で8万5800円でした(2月10日時点)。対してスタッドレスタイヤで人気・実力ともに高い「ブリヂストン・ブリザックVRX3」は1本1万2800円、4本で5万1200円です。これに夏タイヤとして使用している「ピレリー・POWERGY」が1本5719円、4本で2万2876円です。
夏タイヤ+冬タイヤの8本で、合計は7万4076円となりシンクロウエザー4本との差は1万1724円。もちろんこの他にホイールが4本必要になりますし、タイヤの入れ換え時には費用もかかります。あくまでも一例による試算ですが、単品で見ると高価なシンクロウェザーですが、けっこうコスパがいいと分かります。
ようやく今季一番と言われた寒気も緩み、大雪の峠も越えました。しかし、まだまだ東京などでも降雪の可能性は十分にあります。どんな冬タイヤをセレクトするかを、ここで再検討してみるのもいいと思います。最後に大雪の被害がこれ以上拡大しないことを祈ります。
湯沢温泉の市街は融雪パイプのお陰でシャーベット路面になっている。歩行者に雪を跳ね飛ばさないように速度を落とすのが常識
目的地の塩沢宿手前の町道。圧雪路も少し緩み、ほとんどスタッドレスのような食いつきで走行できる