過剰な貯金や投資をやめるだけでなく、ポイ活もやめるべきです。ポイントを貯めるために無駄な買い物をしがちだからです。ポイント還元率の高い商品や特定の曜日にせっせと店に足を運ぶのは時間と労力の無駄になりやすい。まだ体も心も現役に近い60代のうちにお金をバンバン使って人生を楽しむべきです。
特に「自分の楽しみ」のためにお金を使うと脳が活発化して免疫力がアップすることが分かっています。お金がかかる趣味もやめる必要はありません。趣味を通じて新しいことに挑戦したり、様々なことに興味を持ったりすると脳が刺激され、認知症やうつ病のリスクを軽減します。
子世代のために蓄えを遺しておきたいとの考えもリセットしましょう。中途半端なお金を遺された子世代はむしろ不幸になるケースが目立つ。親の遺産を巡る「争続」は大きな遺産額ではなく、数百万円といった金額のほうが起きやすいといわれています。60歳からは思う存分にお金を使うことが健康で幸せな老後への近道となるのです。
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※週刊ポスト2025年2月28日・3月7日号