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学習塾が謳う“合格実績”はどこまで信じられる?表記ルールはあるが一部では“グレーゾーン表記”も横行 「難関校に○○名合格!」「実績No.1」のカラクリ

全国学習塾協会が出している「合格実績自己適合宣言マーク」の使用について

全国学習塾協会が出している「合格実績自己適合宣言マーク」の使用について

「どうせなら“三冠”を狙おうよ」と超難関校を遠征受験

 トバッチリを受けるのは入塾する生徒だが、まだまだ注意ポイントはある。前出のビジネス誌記者が続ける。

「グレーゾーンの書き方をするテクニックは色々あります。例えば難関校をひとまとめにして、『合計◯◯◯名』などと記すもの。開成、灘、桜蔭など、超難関校の校名が大きく記されているものの、よく見ると下の方に中堅校が混ざっていて、そちらが数字を稼いでいるパターンです。

 似たようなパターンでは、『○○No.1』というのもあります。『伸び率No.1』『生徒満足度No.1』など根拠がハッキリしなかったり、恣意的にエリアを設定して『X地区実績No.1』と謳ったり。合格人数の多さに驚いてよく見ると、『過去○年で』と小さく書かれているものもありました」

 さらにこんな現実もある。「合格人数」という意味では何一つ間違っていないが、塾の実力を図る意味では、一種の“チート”のようなやり方だ。

「水増しではありませんが、1人で複数の学校に合格した場合、その都度カウントすることで、見かけ上の数字が大きくなることもあります。

 優秀な生徒のなかには、灘、開成、筑駒(筑波大附属駒場)に全部受かるケースがあるんですよね。もちろん自分の意志で受ける生徒もいますが、講師が『どうせなら“三冠”を狙おうよ』と煽ったり、『ウチの塾でもまだ◯人しかいません』と親のプライドをくすぐって全国行脚させたりする例は少なくありません。合格してくれれば、その分塾の自慢になりますからね。

 気になるのは費用面ですが、中学受験を目指す家庭は、塾に年間100万円投じるのも“当たり前”ですから、受験料や遠征費をかけて“難関校合格”という勲章を手に入れたい家庭は案外あるものです」(同前)

次のページ:塾業界が直面する「厳しい現実」
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