現在のPER水準と日経平均の相関
PER(株価収益率)は、企業の利益に対して株価が何倍で評価されているかを示す指標です。一般的には、割高・割安を判断する目安として知られており、15倍を超えると割高、15倍を下回ると割安とされることが多いです。
一方で、PERを「期待値」として捉えることもできます。株価は常に未来を先読みして動くため、将来の業績成長が期待される企業は、PERが15倍を超えて評価されることも珍しくありません。実際に、高い成長を続ける企業のPERが15倍を大きく超えているケースも多く見られます。
主要指数である日経平均株価は、こうした一般的な基準から大きく外れることはありません。しかし、デフレ脱却への期待が高まった時期には、PERが17倍程度まで評価されていたこともあります。
2024年8月以降のレンジ相場では、PERは15.5倍~16倍の範囲で推移しており、一時期と比べて市場の期待値はやや低くなっていると見られます。
しかし、今回の決算で多くの企業が業績を上方修正したことでEPSが底上げされ、日経平均株価のレンジも引き上げられることが期待されます。
EPS水準から予想される日経平均のレンジは
仮に現在のPERレンジが維持されるとすると、日経平均株価のレンジは以下のようになります。
・下限:2月14日時点のEPS(2547.13円)×15.5倍=39,480.51円
・上限:2月14日時点のEPS(2547.13円)×16.0倍=40,754.08円
このレンジ内であれば、日経平均株価が4万円を超えてきても不思議ではない状況となりました。
ただし、日経平均株価は企業業績だけに連動して動くわけではありません。日米の金融政策やトランプ大統領による関税政策、それに伴う日本の長期金利や為替レートの変動など、さまざまな要因が影響し、日々上下しています。
それでも、今回の決算発表でEPS水準が底上げされたことは、日経平均が上昇する可能性を高めたことは間違いないでしょう。