先週の日経平均は週間で372.49円安
投資情報会社・フィスコが、株式市場の2月17日~2月21日の動きを振り返りつつ、2月25日~2月28日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は週間で372.49円安(-0.95%)の38776.94円と下落。為替の円高ドル安推移に押されて、自動車株など輸出関連銘柄を中心に売り優勢の展開となった。トランプ大統領がウクライナのゼレンスキー大統領に対して厳しい発言を行いロシア寄りの姿勢を示したことで、停戦期待が低下するなか、国内長期金利の指標と見られている10年物国債利回りは1.45%台まで上昇。高田創日本銀行審議委員のタカ派コメントや、1月消費者物価上昇率などを受けて、日銀による早期の追加利上げムードが強まった。
日米金利差の縮小を受けて、為替は1ドル149円台に突入するなど2カ月ぶりの円高水準まで円高ドル安が加速。植田日銀総裁が衆院予算委員会で「長期金利が急激に上昇するという例外的な状況になれば、機動的に国債買入増額などを実施する」と述べたことで、ドルは150円台を回復するなど円高ドル安傾向はやや一服したが、積極的に日本株を買う材料に乏しいことなども影響して、日経平均の戻りは限定的、38700円台で取引を終えた。
なお、2月第2週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を969億円買い越したほか、TOPIX先物を400億円買い越し、225先物はトントンだったことから合計1369億円の買い越しとなった。一方、個人投資家は現物を1133億円売り越すなど合計で742億円売り越したほか、事業法人は現物を1536億円買い越した。
日経平均は昨年9月以降、上限40000円、下限38000円の狭いレンジ相場が続いている。ボリンジャーバンドもバンド幅が収れんしておりエネルギーを蓄積している様子だ。上下どちらかに放れそうな状況だが、日本の長期金利が上昇基調にあり円高が進む状況下、積極的に日本株を買う主体はいない。下限の38000円を割り込んだ場合、押し目を狙う個人投資家が高配当利回り銘柄などを買う可能性はあるが、ウクライナ情勢のほか、23日の独連邦議会選挙の結果など外的な要因による下落を警戒するムードはやや強まっている。
一方、今週は26日に米半導体大手エヌビディアの決算発表が予定されている。突如現れた中国新興AI企業「DeepSeek」の影響もあり、昨年の決算発表前後と比べると市場の話題性及び株価への期待感は弱い。期待感がさほど高まっていないことから、サプライズの好決算となれば、日経平均の刺激材料となる可能性は十分あるが、「あったらいいな」程度の期待感か。エヌビディア不発という状況となれば、緊張化する欧州情勢を横目に、日経平均はレンジ下限の下放れを徐々に意識するかもしれない。