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ビジネス

【トイレットペーパーを盗まないで】カフェでもパチンコ店でもコンビニでも…トイレ備品の“盗難被害”増加で店が悲鳴 「生理用品が一気になくなる」「ハンドソープが丸ごと」、物価高も影響か

「トイレはなるべく外で済ませる」という客の会話

「よくホテルの備品が盗まれることがニュースになりますが、うちのトイレでも備品がよく盗まれる」と明かすのは、都内でカフェ店員をしているBさん(30代女性)だ。

 約1年前からBさんが働くのは、繁華街で外国人も多く訪れるベーカリーカフェ。ドリンクにはコーヒーはもちろんジュースやスムージーなどもラインナップし、パンの種類も豊富。人気のパンは早々に売り切れるなど、客足が途絶えることはない。

「いわゆるおしゃれカフェで、ものを盗むような人がいるようにも思えないのですが、ハンドソープがボトルごとなくなったり、小さな観葉植物を置いていたらそれも消えていたことがあります。トイレットペーパーもよくなくなりますね。うちでは換えのトイレットペーパーを置くスペースはなく、単純にトイレットペーパーが2つ並んでいるタイプのホルダーなんですが、その片側のトイレットペーパーだけ持っていってしまう人がいるんです」

 当初Bさんは、「トイレットペーパーの減りが早いな」ぐらいにしか思っていなかったが、「もしかしたら持っていかれているのかも」と感じるようになった。

「お客さんの会話で、『トイレはなるべく外で済ませるようにしている』というトークが聞こえてきてしまったんです。その理由として、トイレットペーパーが最近高くて、家ではあまり使いたくないんだとか。その話を聞いて、お店のトイレットペーパーの減りが早いだけでなく、まるごとなくなるのは、そういう人がいるからなのか……と思いました」(Bさん)

まさに盗もうとする人に遭遇

 トイレットペーパーを含めアメニティであっても、「盗難」は犯罪だ。刑法第235条の規定では、10年以下の懲役、または50万円以下の罰金となる。都内のパチンコホールでアルバイトをしているCさん(30代男性)は、“現行犯”を目撃したことがあるという。

「パチンコ店にはトイレだけを利用しに来る人も多い。店的にはむしろそれだけでもどうぞというスタンス。ただ去年、たまたま清掃に入ったら、まさしくトイレットペーパーを盗もうとする人に出くわしました」

 Cさんが声をかけたことでことなきを得たが、Cさんは「パチンコには興じても、日用品にお金をかけたくない人は案外多い」という。

「夏場は、『家でエアコンを使いたくないから』とパチンコ店に来る人がいます。電気代が高いからという理由ですね。トイレットペーパーが値上がれば、盗もうとする人がもっと出てきてもおかしくないですよね。とはいえパチンコ店でトイレ禁止にすることもできませんし……。目を光らせるしかありません」(Cさん)

次のページ:ストック棚からごっそり盗難、「トイレは貸さない」ことに
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