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田代尚機のチャイナ・リサーチ

DeepSeek登場で加速する「米中AI開発競争」 最速でシンギュラリティ到達に向かう米国と、社会実装を急ぐ中国の“方向性の違い”

 DeepSeek登場以来、米国でもオープンソース化が進展し、AI技術の社会実装がそれなりに加速する可能性はあるが、その効果がより大きいとみられる製造業の規模は中国の方が大きい。政府部門でも効率化の効果が高いと予想されるが、社会主義国家である中国はその部分でも米国よりも規模が大きいとみられ、社会実装による付加価値向上のインパクトは中国の方が米国よりも大きいだろう。

 国家の発展といった観点からみれば、米中どちらの戦略が優れているのかはわからない。米系が望み通り、先に人類を超える能力を持ったAIを開発したとして、中国はどのタイミングで米系に追いつくのか。また、シンギュラリティ通過後、AIの能力が加速度的に向上し、一瞬にして人類の頭脳の10倍、100倍優秀なAIが誕生するようなことが本当に起こるのだろうか。もし、起こるとすれば、覇権の維持強化といった点で米国は圧倒的に有利となるだろう。しかし、それほどドラスティックに進化しないのであれば、先にAI技術の社会実装を進めた中国が有利となる。

 いずれにしても、今後数年で起こる変化は、人類にとってこれまで経験したことのない大きなものとなりそうだ。

文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うフリーランスとして活動。ブログ「中国株なら俺に聞け!!」も発信中。

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