トランプ大統領は台湾有事にどう対処するつもりなのか(CNP/時事通信フォト)
トランプ米大統領がブチ上げた「ウクライナ停戦」は世界に衝撃を広げた。この停戦をめぐる動きをきっかけに、東アジア情勢や経済にも様々な変化がもたらされようとしている。ジャーナリストの池上彰氏と作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏が緊急対談、東アジアの安全保障について読み解く。
台湾有事より危険な日中衝突
池上:東アジアの安全保障にも影響を与えそうです。トランプさんはこれまで一度も「台湾を守る」と言ってない。
佐藤:ウクライナ同様、アメリカが東アジアからいつ退くかなんてわかったものではありません。白人の国にも兵士を送らないのに、有色人種の国に送るかって話ですよ。
池上「中国が台湾を攻撃したら守るのか」と問われたトランプさんは、攻撃があれば「中国に150~200%の関税をかける」と発言。関税でお仕置きはするが、軍を出すとは言わない。佐藤さん指摘の通り、見捨てる可能性がありますね。
佐藤:それがアメリカのリアリズムでしょう。
池上:極めて皮肉な話ですが、台湾に向け米軍が出撃しないとなると、その出撃基地である沖縄に中国がミサイルを撃ってくることにはならない。だから「台湾有事は日本の有事にはならない」ということなんですよね。
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