今週のドル円はどう動く?
投資情報会社・フィスコが3月3日~3月7日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は下げ渋りか。日本銀行による早期利上げ観測が継続し、円買い圧力がかかりやすい。ただ、米雇用情勢の強さを見極める展開となり、緩和に慎重な政策姿勢がドルをサポートしそうだ。日本の消費者物価指数(CPI)コア指数は市場予想を上回る状況が続く。植田日銀総裁は長期金利の上昇を抑制する方針だが、当局者からタカ派的な見解が聞かれれば円買い圧力が続き主要通貨を圧迫しそうだ。
ただ、米経済指標は製造業の景況感が悪化し、ドル売り地合いが続く。今週は2月ISM製造業・非製造業のほか、2月雇用統計と雇用情勢を見極める展開となる。雇用統計は前回1月分と比べ、失業率は低水準で横ばい、非農業部門雇用者数は増加と、労働市場の活況が示される見通し。市場予想よりも強い内容だった場合、追加利下げ観測は後退しドルに買戻しが強まるだろう。足元の米経済指標は弱さが目立ち、景気腰折れ懸念によるドル売りもみられる。ただ、米トランプ政権は貿易相手国・地域に対する関税引き上げ方針を強めており、全般的にドルは売りづらい。
【米・2月ISM製造業景況指数】(3月3日発表予定)
3月3日発表の2月ISM製造業景況指数は50.5と、節目の50を上回る公算。ただ、前回の50.9を下回ると予想され、景気腰折れへの懸念からドル売り要因となろう。
【米・2月雇用統計】(3月7日)
3月7日発表の2月雇用統計は失業率が4.0%、非農業部門雇用者数は前月比+15.5万人程度と予想される。雇用の力強さが維持できればドル買いの可能性も。