デイトレで成功も、東日本大震災を機に手法を切り替え
竹清五段はそのファンドマネージャーから投資の基礎知識や考え方を学び、相手には竹清五段が囲碁を教えるという関係が約1年にわたって続いた。そして1年後の2010年から300万円を元手に株式運用を開始したという。
「当初はデイトレードやスイングトレードを中心に運用し、2010年の年末には1000万円超の運用益が出る順調な出だしでした。しかし、2011年の東日本大震災で当時経営していた囲碁サロンの立て直しに集中するため、短期の運用から中長期の運用へと変わっていきました」
その後、竹清五段が着目したのが、企業の利益や資産などに比べて株価が割安な国内のバリュー株への投資だった。
「PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)が低く、配当利回りも充分な割安なバリュー株を買う手法に切り替えたのが功を奏しました。その後のアベノミクスによる相場上昇の追い風も相まって、順調に利益を積み上げることが出来ました。投資スタートから6年目の2016年には、株式投資によって築いた資産が1億円の大台を突破しました。2025年現在もバリュー投資で資産は着実に増え続けています」
そんな竹清五段は、現在どんな銘柄に注目しているのか。関連記事『【竹清勇五段が厳選した4銘柄】現役プロ囲碁棋士の億り人が注目する「2025年に上昇期待のバリュー株」 大きな変化が起きているホテル業界に狙いを定める』で紹介している。
【プロフィール】
竹清勇/昭和54年7月26日生まれ。神奈川県出身。プロ棋士(五段)。日本棋院東京本院所属。岩田一九段門下。横浜囲碁サロン顧問。囲碁指導にも定評があり有名囲碁雑誌や大手通信教育講座でも講師を務める。囲碁棋士として現役で活躍するかたわら、2009年に投資知識ゼロの状態からプロのファンドマネージャーの投資指南を受け、2010年より300万円を元手に国内株式の運用を開始。著名個人投資家との勉強会や囲碁で培った分析力などを武器に2016年には1億円超の資産を築く。現在も個人投資家とプロ棋士活動を両立中。著書に『読まなくても碁に勝つ法』『アマが使える衝撃の新戦法! 囲碁AI「Zen」の布石構想』など。