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森口亮「まるわかり市況分析」

米国市場で株価と金利が同時に下落、セオリーに反する動きをどう解釈するか? トランプ関税による景気先行き懸念の高まりに要警戒

地政学リスクや、米・トランプ大統領の関税政策などで米国株式市場の値動きが大きくなっている。写真はニューヨーク証券取引所

地政学リスクや、米・トランプ大統領の関税政策などで米国株式市場の値動きが大きくなっている。写真はニューヨーク証券取引所

 地政学リスク、トランプ関税、決算発表などの要因が重なり、米国株式市場は大きく上下に揺れている。今後の株式市場をどう見ていけばよいか。個人投資家・投資系YouTuberの森口亮さんによる、シリーズ「まるわかり市況分析」。森口さんが金利と株価の関係を踏まえたうえで、今後の株価動向を見通す。

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 2月相場が終わり、地政学リスク、トランプ関税、決算発表など、さまざまな要因が重なり、米国株式市場は大きく上下に揺れています。特に金利と株価の関係について興味深い動きがあったため、2つの異なる見方について解説します。

【見方1】金利と株価は反対の動きをする

 一般的によく知られているのは、「金利が上昇すると企業の金利負担が増え、株価は下がる」という関係です。

 以下のチャートは、米国の長期金利(10年)とS&P500の値動きを比較したものです。

S&P500日足チャート、2025年1月~2月。TradingViewより筆者作成

S&P500日足チャート、2025年1月~2月。TradingViewより筆者作成

 年初からの推移を見ても、金利が上がると株価が下がり、金利が下がると株価が上がる、逆相関関係の期間が多く見られます。

 これは、金利が低下すると企業の金利負担が軽減され、今後の業績期待が高まるため、相対的に株式の価値が割安になると考えられるからです。

 しかし、2月19日以降の動きをよく見ると、金利と株価が同じ方向に動いていることが分かります。これはなぜでしょうか?

次のページ:【見方2】金利は景気の体温計

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