配当や優待狙いは「保有し続けるほうがストレスは少なく、リターンも効率的」
なぜインカムゲイン狙いで10倍株を手にできるのか。
「株価が10倍になるまで持ち続けないとテンバガーになることはありません。結局、そこまで株を持てるかどうかが鍵です。配当金や株主優待を楽しみながら10倍株に育つのを待つのも投資の1つの手法です。キャピタルゲインは株を売却して利益確定をしないと利益を手にできませんが、インカムゲインは配当や優待が維持されている限り、株価が買った時よりも下がっていても、保有しながら配当金や優待品を受け取ることができます。
インカムゲイン狙いの場合、配当金や株主優待が欲しくて株を買うわけですから、基本的に売る意味はないと私は考えます。個人投資家の中には、優待が欲しい時にその都度、権利付最終売買日(権利日)までに株を保有して優待の権利を取った後に売却を繰り返す人もいるかもしれません。もちろん投資スタイルは人によりますが、頻繁に売買を繰り返している間に株価がたとえば10倍になった場合、売買を繰り返さずにずっと保有していればよかったわけです。常に利益を出し続けられるだけのトレード技術があればよいのですが、わざわざ売買の労力をかける意味がどれほどあるのか疑問です。
インカムゲイン狙いであれば、頻繁に売買を繰り返すよりも、株を保有し続けるほうが、ストレスも少なく、効率的にリターンを受けられます。また、利益確定後に再び安く買い戻したとしても、10倍株への近道になるわけではない。10倍株を狙うには長期保有を続けること、つまり“ガチホ”こそが近道だと考えます」(愛鷹氏。以下、「」内同じ)
10倍株を100銘柄達成するのが野望と語り、「世界一のテンバガーハンター」になることを夢に描く愛鷹氏は、10倍株の「原石」をどのような手法で見つけているのか。別記事『《通算85銘柄で10倍株達成》“テンバガーハンター”愛鷹氏、資産3.3億円を築いた現役サラリーマン投資家が注目する「10倍株を狙える」銘柄5』では、今どんなテーマや銘柄に注目しているのかも併せて詳細に解説している。
【プロフィール】
愛鷹(あしたか)/現役サラリーマン投資家。理系大学院修了。2008年に株式投資を始め、3億3000万円超の株式資産を築く。保有銘柄は1000社を超える。2025年2月現在、13年連続通算85銘柄で10倍株(テンバガー)を達成。「テンバガーハンター」と呼ばれる。著書に『サラリーマン投資家が10倍株で2.5億円』(ダイヤモンド社)。【Xアカウント】@minobouz
取材・文/上田千春