1本1本もやしのひげ根を取る作業は、なかなかしんどい
ひげ根を取るのは「タイパ良し」を損なう
もやしのひげ根を「絶対に取らない」というのは、神奈川県に住む会社員のBさん(30代男性)だ。一人暮らし歴の長いBさんは、自炊をする機会も多い。
「肉野菜炒めとか焼きそばをよくを作ります。その具材としてよく使うのが、もやし。安くいしおいしい。シャキシャキ感も欠かせません」
Bさんが、もやしのひげ根を取らないのは、「タイパ重視」のためだという。
「もやしのいいところはコスパの良さと、ざっと水洗いすればそのまま使えること。ほかの野菜みたいに皮を剥く必要もなく、すぐに料理に使えるわけです。それなのに、わざわざひげ根を取っていたら、時間がかかる分、損した気持ちになる。コスパが良いうえに、タイパが良いというのがもやしの最大の魅力だと考えているので、絶対にひげ根は取りません。しかも、栄養的にひげ根があるほうがいいというのなら、まさに一挙両得です」
根切りもやしと通常のもやしを使い分ける
スーパーなどでは、すでにひげ根を処理してある「根切りもやし」も売られている。通常のもやしよりも価格が高く、60~80円程度だ。通常のもやしと根切りもやしを使い分けているというのは、都内に住む会社員のCさん(40代女性)である。
「その日作る料理によって、根切りもやしを買うのか、それとも通常のもやしを買うのかを決めています。基本的にひげ根はないほうが好きですが、取る作業はやりたくない。正直、共働きだと特に平日はそんな時間もないというか……。
だから、食感が気になる料理のときは、割り切って根切りもやしを使います。中華サラダとか和え物、スープの場合ですね。でも炒め物なら、そこまで食感を気にすることもないし、中華料理店でも結構ひげ根がついたままのものが多いですよね。だから、炒め物には普通のもやしを使います。根切りもやしは、たしかにもやしにしてはちょっと高いかなとも思いますが、他の野菜に比べればまだまだ安い。プラス30円くらいで、ひげ根を取る作業が省略できるなら安いと思います」
ひげ根の扱いの違いこそあるが、もやしが家計の味方であることは確か。食卓を支える重要な野菜として愛されるだけに、その扱いに悩ましい家庭は少なくないのかもしれない。