3年前に市場再編した際の「経過措置」を終了する東京証券取引所
東京証券取引所(東証)が2022年に市場再編した際、「プライム市場」など新たに設けられた区分の上場維持基準を満たさない企業でも暫定的に市場に残れる「経過措置」が取られたが、今年3月から順次終了となる。そのことは株式市場にどのような影響をもたらすのか。証券ディーラー時代に50億円の収益をあげ、現在は個人投資家としてセミナー講師や株式情報の発信をしている「たけぞう」さんが、経過措置の終了が“個人投資家にとって大きなチャンス”と捉えられる理由を解説する。
今年の市場の流れを左右するポイントが「経過措置」の終了
たけぞうさんは高校卒業後、「学校の先輩が入っていたから」という理由で、証券会社に就職。特に金融の世界に興味があったわけではなかったが、これが投資との出会いになる。
「株式投資において、企業の業績はもちろん重要ですが、私は市場の流れを見ることも大切にしています。特に今年は『経過措置』の終了による上場企業の動きがポイントになってくるでしょう」(以下、「」内はたけぞうさん)
東京証券取引所は2022年4月に現行の市場区分(プライム市場、スタンダード市場、グロース市場の3区分)を導入。それに際し、各市場区分の上場維持基準に未達の企業でも暫定的に市場に残れる「経過措置」を設けた。それが今年3月から順次終了となり、本来の上場維持基準が適用されるようになるのだ。
上場維持基準は市場ごとに定められており、プライム市場は流通株式数2万単位以上、流通株式時価総額100億円以上、流通株式比率35%以上。同じくスタンダード市場は2000単位以上、10億円以上、25%以上、グロース市場は1000単位以上、5億円以上、25%以上となっている。
銀行や経営者、10%以上所有する大株主の持ち分は、市場に流通されない“固定株”として、これらの基準からは除外される。