売り出しは市場価格よりも割安で株式を購入できる
「上場維持基準を満たすため、企業による株式の『売り出し』がこの1~2年で加速しています。売り出しというのは、大株主が所有する株式を公募により50人以上の一般投資家向けに販売すること。固定株が流通するようになることで、企業は流通株式時価総額や流通株式比率を伸ばすことができるわけです。
上場企業が『政策保有株』の縮減を進めていることも、売り出しの増加を後押ししています。政策保有株というのは、企業が取引先との関係維持や買収防衛などの目的で保有する株式。日本特有の慣行です。銀行やグループ会社との間での“持ち合い”の形が多いのですが、ガバナンスや資本効率の面で問題が指摘されており、金融庁や東証は縮減を促しています。
個人投資家にとって、売り出しは市場価格よりも割安で株式を購入できるメリットがあるので、私も積極的に狙っています。経過措置の終了によって、今後も売り出しは増えていくでしょう」
そうして市場の大きな流れに目を光らせるたけぞうさんが今、注目する業界やポイントは何なのか。関連記事『「私の立場上、銘柄推奨は難しいのですが…」50億円の収益をあげた元証券ディーラー・たけぞうさんが解説 「政策保有株解消」「親子上場解消」など今注目すべき4つのポイントと関連業界』で具体的に紹介している。
【PROFILE】
たけぞう/証券ディーラー時代は、多い時に約10億円の資金運用を託され、重圧と戦いながら約50億円の収益をあげた。現在は個人投資家兼経営者で、メルマガで毎日最新の株式情報を配信。ラジオやYouTube、TVなどに出演しセミナー講師も勤める。著書に『50億稼いだおっさんが教える 月5万稼ぐ投資術』(ぱる出版)、『月1万円ほったらかし投資 初心者さんでもすぐ始められる!』(主婦と生活社)がある。