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ビジネス
財務省の減税つぶし工作

大新聞・テレビが相次いで“隠れ増税推進”報道のなぜ? 財務省に握られた“メディアの急所”、監査役や社外取締役として財務省OBが天下りして影響力強化も

日本テレビHDで社外取締役を務める財務省OBの勝栄二郎氏(時事通信フォト)

日本テレビHDで社外取締役を務める財務省OBの勝栄二郎氏(時事通信フォト)

 財務省OBを受け入れた理由を質問すると、「会社法の社外監査役の要件等を踏まえ、選任しました」(読売新聞グループ本社広報部)、「行政機関での豊富な経験と経済・金融等における高度で幅広い専門知識を当社の経営に反映していただいております」(日本テレビ総務局広報部)とした。

 メディアがOBを受け入れることについて、前出・長谷川氏はこう見る。

「国家権力の中心に位置する財務省との関係を深めて天下りを受け入れることは、メディアとして権力の中枢に近づくことにつながる。一方の財務省からすれば、OBを通じたパイプは世論形成を図るうえで好都合。従来の財務省のメディア操縦は、現場の官僚が記者や編集幹部に情報を流したり、論説委員クラスを政府の審議会メンバーにして取り込み、財務省が望む記事を書かせるやり方だった。それがOBを通じて経営の内部から“レクチャー”できる状況になるわけです」

 103万円の壁をめぐる大手メディアの報道を改めて見渡しても、「160万円への引き上げ」が国民民主党案の「178万円」に比べて大幅に財源が少なく済む財務省の考えに沿ったものだと深掘りする報道は乏しく、〈年収の壁160万円になると…納税者の多くは2万円減税〉(2月28日付、日経新聞)といった見出しが掲げられる。

 果たして各社の説明は納得できるものだろうか。

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※週刊ポスト2025年3月21日号

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