落とした商品は買うべきか(イメージ)
今年3月、コンビニで売られているデザートやおにぎりを店内で握りつぶす様子を収めた動画が、ネット上で拡散された。投稿者の目的はどうであれ、商品を店内で握りつぶす行為は器物破損などの犯罪にあたる可能性がある。そもそも食べ物を粗末に扱うという点でモラルな問題も指摘され、炎上につながった。一方で、意図せずに“うっかり”食料品を破損してしまったり落としたりするケースもあるが、その場合、どういった対応が「正解」なのだろうか。
都内に住む主婦Aさん(30代)は、子供のイタズラにより、予定になかった商品を買ったことがあるという経験を話す。
「息子がまだ幼稚園生だった頃のことです。一緒にスーパーに食材を買いに行った時、息子が鮮魚売り場でマグロの刺身のブロックが入ったパックを上から触っていて……。『やめなさい』と注意したのですが、ちょっと目を離した隙に、パックにズボッと指を挿してしまったんです。特にお刺身を買う予定はありませんでしたが、こうなると完全にこちらの責任ですよね。マグロを買って帰りました」
“おにぎりが落ちたのは偶然”という顔で…
それでは、「包装された商品を落としたものの、見た目は“無傷”」という場合はどうか。神奈川県に住む会社員のBさん(30代男性)は、コンビニで「見たくない瞬間を見てしまった」という。
「僕の隣でおにぎりを選んでいた男性のお客さんがいたのですが、その人が、いざおにぎりを取ろうとする時、手元が滑っておにぎりが床に落ちたんです。そのお客さんはまるで“おにぎりが落ちたのは偶然”という顔をして、別のおにぎりをカゴに入れました。
おにぎりが落ちた音で、近くにいた店員さんが駆け寄ってきたのですが、落ちたおにぎりをそのまま棚に戻したのを見てしまって……。落としたとはいっても包装が汚れているわけではないし、型崩れもしていない。いわば“無傷”なわけで、それを廃棄するのはもったいないとも思うのですが、なんともいえない気持ちの悪さも残りました。見なかったら気にならない話なので、見なきゃよかったと心から思ったのと同時に、おにぎりを落とした人には買ってほしいという気持ちもありました」(Bさん)