野党には下手に出る“ご説明”
政府に厳しい質問をしない与党議員にまで、財務省が「質問するな」と圧力をかけていたわけである。これでは与党議員の国会質疑が“八百長”だと思われても仕方ない。
元民主党事務局長で国会の舞台裏に詳しい政治アナリストの伊藤惇夫氏が指摘する。
「財務省は野党議員にも与党議員にも質問取りをするが、野党議員に『質問は勘弁してくれ』などと頭ごなしの言い方をすれば、すぐに“言論弾圧だ”と問題にされかねない。だから議員への“ご説明”の際に財務官僚は直接的な表現は避け、あくまで下手に出ながら財務省の思う方向に誘導するアプローチを取る。そうした財務省の国会工作は与野党はじめ永田町の人間ならみんな知っています。ただ、それを国会で与党議員が言及したのは初めてではないか」
財務省に、森氏が言及した質問への圧力について訊くと、「ご指摘のようなやり取りがあったことは確認できておりません」(広報室)と回答。
では、森氏は財務省による国会質疑への介入をどう受け止めたのか。見解を求めると、「今後も、財務省が何をして来ようが、復興財源について国会議員の質問権を貫き通す覚悟です」と回答した。
自民党議員が暴露したくなるほど、財務省の増長ぶりは甚だしいようだ。
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※週刊ポスト2025年3月28日・4月4日号