先週の日経平均は週間で165.93円高
投資情報会社・フィスコが、株式市場の3月10日~3月14日の動きを振り返りつつ、3月17日~3月21日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は週間で165.93円高(+0.45%)の37053.10円と上昇。米とウクライナ間で即時停戦案を合意したことで地政学リスクはやや低下したものの、引き続きトランプ関税方針に振らされる相場展開となった。10日、トランプ大統領が関税引き上げや政府支出の大幅削減に伴う景気後退の可能性を否定しなかったことで、投資家のセンチメントが悪化。NYダウは一時1100ドル超の大幅安となるなど米主要3指数はそろって大幅安の展開となり、節目と見られていた200日移動平均線をそろって明確に割り込んだ。
米市場の不透明感が東京市場にも波及し、11日の日経平均は一時36000円台を割り込むなど昨年9月以来の水準まで下落する場面が見られた。為替も1ドル146円台まで円高ドル安が進行したことで、自動車株など輸出関連銘柄が総じて売られる展開となった。ただ、36000円台前半では押し目を拾う動きも観測されたほか、三菱重<7011>など防衛関連銘柄などが買われたことから日経平均は下げ幅を縮小。米国株は引き続き軟調推移となったが、週末の3月限先物・オプション特別清算指数(SQ値、36483.79円)に絡んだ思惑なども加わり、週間ベースでは上昇。日経平均は37000円台を回復して取引を終えた。
なお、3月第1週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を740億円売り越したほか、TOPIX先物を1100億円売り越し、225先物は2000億円売り越したことから、合計3840億円の売り越しとなった。一方、個人投資家は現物を4643億円売り越すなど合計で4108億円売り越し。なお、事業法人は現物を2002億円買い越した。
投資家の心理状況を示す日経平均VIは、11日に32ポイント台まで上昇した後はじりじりと低下し24ポイント台まで低下した。先行き警戒感はまだ残っているが、米国株と比較すると日本株の底堅さが目立つ。背景として、NISAを通じた3月末の配当・優待の権利取りを見据えた個人投資家の押し目買いや、企業の自社株買いなどが下支えになっていると考える。
今月は3月のため、期末特有の需給も発生する公算が大きい。高値を更新している強い相場展開であれば、年金などによるリバランスの売りが入りやすいが、高値更新している銘柄が非常に少ない状況下、リバランスに伴う売り需要は限定的となろう。2月3日の日経平均は38520.09円だったことから、相場の格言通り「節分天井・彼岸底」となりそうだが、需給面などを背景に11日につけた35987.13円を下回る弱い動きは回避されそうな状況にある。