「解約手続き」をどうスムーズに進めるか(イメージ)
家族が亡くなった時、遺族は悲しみもそこそこに煩雑な手続きに忙殺されることになる。中でも厄介なのが、故人が利用していた様々なサービスの解約手続き。公共料金やクレジットカード、携帯電話の基本料金などの引き落としが続かないようにする解約が必要なことに加え、近年、とりわけ手間がかかる“難敵”となっているのがネット銀行やネット証券の口座、動画配信サービスの契約といったデジタル遺品の解約だ。日本デジタル終活協会代表理事で弁護士の伊勢田篤史氏が語る。
「動画配信サービスなどのサブスクリプション(定額制契約)は死後すぐに解約手続きをしないと使用料の請求が継続する恐れがあります。とはいえ、スマホやパソコン上で登録するサービスが多いため、利用状況を手早く把握するには故人のスマホやパソコンの中身を確認するしかなく、パスワードがわからなければ作業は困難になる。専門業者に依頼しても1年以上かかるケースもあります。故人の誕生日や結婚記念日などで何度か試してうまくいかない場合、解明を諦めて他の方法での解約を考えていくケースが多いです」
その場合は通帳や明細を見ることになるという。
「基本的にサブスクは銀行口座やクレジットカードからの引き落としなので明細を見てお金の流れを把握するほうが手っ取り早いことも多い。ただし昨今は紙の明細が送付されないケースも増えているので、その場合は故人のクレジットカードを見つけてカード会社に連絡し明細書を郵送してもらうことです。明細を確認して引き落としがある各サービスに連絡して解約していくかたちとなります」(伊勢田氏)