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チケット転売対策強化で「ライブに行けなくなった」一部ファンたちの恨み節 「現場に入れず応援する意欲がなくなった」「一人で推し活する“ソロ活勢”が不利」…余儀なくされる“戦略変更”

超高額転売がなくなることは良いけれど…

 転売対策に対して、複雑な思いを抱えているファンはAさんだけではない。不動産企業で働く女性・Bさん(23歳)は、公式による転売対策によって、「真面目に“ソロ活”しているファンが現場に入れなくなる」ことを懸念しているという。

「私が応援しているグループは、チケットの抽選結果が出た瞬間、転売サイトで超高額チケットが取引されるようなグループです。10万円から20万円台のものもあれば、メンバーの誕生日や千秋楽の日には30万~60万円くらいに跳ね上がることもありますよ。一部の経済的に余裕があるファンが、こうしたチケットを購入してでも現場に入っていたので、結局売れるんですよね。水商売で稼いでいる有名なファンや、中国の富豪のファンが買っている、なんて噂もありましたよ。

 不正転売が禁止され、こうした高額取引がなくなるのは良いことだとは思います。でも、定価プラス数万円程度で売買されるチケットの転売は、許容してほしいというのがホンネです。たとえば、オタク仲間がたくさんいる人なら、数十人のグループを作ってチケット購入の協力を呼びかけることができますが、一人で推し活している“ソロ活勢”は、本当に現場に入ることができなくなってしまう。そうすると、オタク仲間が多い方が得をするという、ある種の不公平が生じると思います」(Bさん)

「これからは地方公演を中心に狙う」というファンも

 これまで転売のチケットを購入し、東京や大阪の公演に足を運んでいたというファンのなかには、今後は「地方公演を中心に」と戦略を変える人もいる。男性アイドルグループを長年応援してきたという、飲食店勤務の女性・Cさん(27歳)は、次のように語る。

「これまでは、東京、大阪、名古屋のコンサートに足を運んでいましたが、転売で買えなくなると困りますね……。これからは、比較的倍率が低くて当たりやすいと言われている札幌ドーム(大和ハウス プレミストドーム)や、規模が小さい地方のホールなどを狙わないとダメですね。

 そうすると、遠征のためにさらに出費がかさむと思います。チケットの転売防止や譲渡の防止に力を入れるだけではなく、そもそも事務所はコンサートの当選確率自体を考えてほしい。ファンクラブ会費だけ払い続けて、まったくコンサートに足を運べないファンがいるのは不公平だと思う。そうすると、真面目な古参ファンは現場に入れなくなって、ファンをやめていくと思います」(Cさん)

 高額な不正転売に対する事務所の対策が講じられるなか、ファン仲間が多い人たちは集団でチケット抽選に応募することで当選する可能性を高めることが可能だという指摘もある。他方で、ファン仲間を作らずに一人で推し活をするソロ活勢からは、転売チケットが購入できず、「これまで以上に現場に行けなくなる」という嘆きの声も上がっているようだ。

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