ざんばら髪で快進撃を続ける草野
春場所12日目に十両の草野(23、伊勢ヶ濱部屋)が新十両優勝を決めた。新十両での12連勝は、1929年初場所の武蔵山の11連勝(1場所11日制)を上回り、12日目での十両優勝は15日制導入以降では史上3人目の快挙となった。十両での全勝優勝なら1場所での新入幕となるところ、13日目に負けたことで厳しくなったが、この快進撃によって草野の待遇は昨年の入門時と激変している。
宮城野部屋に入門する予定が伊勢ヶ濱部屋へ
草野は日大4年時に取得した学生横綱のタイトルにより、昨年5月場所に幕下最下位格付け出しで初土俵を踏んだ。デビュー場所は6勝1敗で幕下優勝を逃がし、その後は5勝2敗、5勝2敗、4勝3敗と勝ち越しながらも苦戦したが、今年の初場所に幕下西3枚目で4勝3敗と勝ち越したことで十両に昇進。所要5場所での十両昇進だった。
十両で敵なしの活躍で、将来の大関、横綱候補と期待されるが、若手親方はその入門に至る経緯についてこう話す。
「草野は当初、宮城野部屋に入門する予定だったんです。中学・高校・大学の先輩で元学生横綱の川副に誘われての角界入りだったが、昨年4月に不祥事で宮城野部屋が閉鎖したことにより伊勢ヶ濱部屋への入門となった。白鵬(元横綱、現・宮城野親方)には内弟子が認められない状況となっており、部屋が再開されても草野は伊勢ヶ濱部屋に残ることになるだろう。照ノ富士の付け人として可愛がってもらってきたし、日大の2年先輩にあたる尊富士もいる。部屋が閉鎖されていなければ宮城野部屋のエースになっていただろう」