十両に昇進すると待遇が激変
学生生活を終え、入門から1年にも満たない力士が十両に昇進して関取になったことで、待遇が大きく変わった。付け人がつくようになり、部屋の外に住むことも自由だ。稽古では幕下以下は黒まわしだが、関取は白まわしとなる。大銀杏を結い、土俵入りで化粧まわしをつけられる。
そうして環境が変わったなかでいきなり十両優勝を決めたわけだが、収入面も劇的に変化した。先場所までは幕下力士として支払われるのは2か月に1回の場所手当の16.5万円のみ。年収換算で99万円という立場で、大卒新入社員の水準を大きく下回っていた。これが十両昇進で毎月の給料が受け取れるようになって大逆転した。
十両の給料は月110万円。これに賞与が2か月分の220万円が加わり、年収にして1540万円という立場になる。地方場所手当などあるうえ、関取になったことで持ち給金に基づく力士褒賞金も手にすることができるようになった。
「草野は幕下付け出しとして3円でスタートした持ち給金が、5場所合計13の勝ち越しにより6.5円増えて9.5円となったが、十両に昇進したことで40円に引き上げられた。褒賞金は持ち給金の4000倍が場所ごとに支給され、春場所からは16万円の褒賞金が受け取れるようになった」(同前)
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