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ビジネス
ネスレ元社長が語る「フジテレビ問題と日本企業」

「フジテレビの社長には堀江貴文氏がふさわしい」とネスレ日本元社長・高岡浩三氏が提言する真意 ビジネスモデルの岐路に立つテレビ局が生き残る道

テレビのCM効果と炎上リスク

 テレビに向き合う視聴者が激減し、広告費も下がり続けるなか、企業はテレビCMとどう向き合うべきか。まず求められるのがエビデンスに基づいた効果測定だ。

「僕がネスレ日本にいた時代はビデオリサーチ社の世帯視聴率しかなく、個人視聴率がほしいといっても出てこなかった。個人視聴率を出すと数字が落ち、広告の値段が下がるから出せなかったのかもしれません。でも今は個人視聴率が発表されているからCMのターゲットが絞りやすい。加えて、データサイエンスを用いてマーケティングの費用対効果を測定する企業も登場しました。こうしたデータや分析を積極的に利用すべきです」

 現在は『ジョブチューン〜アノ職業の秘密ぶっちゃけます!』(TBS系)や『帰れマンデー見っけ隊!!』(テレビ朝日系)のように、番組内で企業の商品やサービスなどを紹介する番組が目立つ。ネットでは“ステルス広告ではないか”との批判もあるが、高岡氏は、「企業の戦略として、ああした番組もアリではないか」と語る。

「特定商品の格付けなどを行う番組ですが、宣伝には見えずPR的なものになっているので売上や利益につながると思います。取り上げられる企業は、スポンサードとは別のかたちでテレビ局に広告宣伝費を払うケースもあるかもしれませんが、コンテンツとして成立している以上、それも一つの方法ではないでしょうか」

 他方でCMには「炎上」のリスクもある。最近も東洋水産株式会社(マルちゃん)の「赤いきつね」のウエブCM が“性的”であると批判されて物議を醸したが、高岡氏は炎上についてどう考えるのだろうか。

「ネスレにはCMにおける注意点や禁止事項などのガイドラインがありますが、今のネット時代はお客様の苦情やコメントが昔と比べて数千倍や数万倍レベルで増えているのかもしれません。ただし、その中で一部の少数意見を気にしすぎるのはどうかと思います。

 僕は赤いきつねの炎上事件を知りませんが、東洋水産がほとんど何も対応しなかったのは企業として賢い判断だったと思う。いまの時代の企業は自社のブランドに信念を持ち、一部の声が本当に自分たちのお客様の声であるか見極めることが大事ではないでしょうか」

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