ゴールドやビットコインは数年で大きく上昇した資産の一つ
日本でもインフレ傾向が続いているなかで、金をはじめとしたコモディティ(商品)価格が上昇している。また、暗号資産(仮想通貨)や米ドルなどの日本円以外の資産にも注目が集まっている。その背景に何があるのか。個人投資家、経済アナリストの古賀真人氏が解説する。
目次
インフレが続く中で注目される資産
2025年3月時点で、日本のインフレ傾向は、依然として続いている状況だ。消費者物価指数(CPI)は、2024年後半から2025年初頭にかけて、前年比で2~3%程度の上昇を維持しており、特に、生鮮食品やエネルギーを除いたコアCPIも2%を超えて推移、日本銀行が目標とする「インフレ率2%」を達成しつつある。
食料品を中心とした物価高騰は、一般消費者にとって大きな痛手となっている。一方で、日本経済は堅調であり、遅ればせながら賃金上昇も始まっている。
インフレ時は、物価上昇の後に賃金上昇がやってくるのが一般的だ。だからこそ、名目賃金の上昇率からインフレ率を差し引いた実質賃金ベースでみると生活は苦しくなっていることになるため、個人個人で防衛していく必要もあるだろう。
防衛手段の一つには投資による資産分散が挙げられる。インフレ時代は物価が高騰する一方で、現金の価値はどんどん目減りしていく。その対策として投資は一つの選択肢になる。
今回は、インフレによって注目されている通貨やコモディティについて解説していきたい。個別株投資を選択する上でも、投資の視点として参考にしてほしい。