“実家じまい”に必要な4つの書類とは(写真:イメージマート)
受け継ぐ人のいない実家をどうするか──先送りにできない問題だが、いざ実家じまいをするとなると煩雑なイメージが強く、手つかずのままになりがちだ。しかし、「正しい手順」を理解すればトラブルなくスムーズに終わらせることができる。家の活用方法が決まれば片付けを始めることになるが、その際には「4つの書類を見つけたい」と、実家じまいに詳しい不動産事業プロデューサーの牧野知弘氏は言う。
「最優先で見つけるべきは『不動産売買契約書』です。実家が売れて売却益が出た場合、取得費(不動産の購入費や手数料の合計額)を引いた金額に譲渡所得税がかかりますが、その際に不動産の購入額が分かる『売買契約書』が必要になる。ないと取得費が売却額の5%になってしまいます」(牧野氏)
仮に手数料込みで2000万円で購入した不動産が2500万円で売れた場合、売買契約書がないと本来は2000万円の取得額が125万円となり、売却益は2375万円として税額を計算することになる。
「加えて、登記変更に必要な『不動産の権利証(登記識別情報)』、リフォーム時に必要となる『家屋の図面』、売却・相続時に『土地の測量図』があればスムーズに実家じまいが進むので見つけておきたい」(同前)
売買契約書が見つからない場合、一人暮らしをしていた親が亡くなった家などの要件をクリアすれば、空き家の譲渡所得から3000万円までが控除となる「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」の利用を考える。