「磯丸水産」が外国人観光客を惹きつける理由とは(渋谷宇田川町店)
インバウンドの増加により、繁華街では外国人観光客が溢れている。何度も訪日する外国人も多く、彼ら/彼女たちは、“THE観光地”だけではなく日本の“日常”にも興味を示すようになっているが、そんな外国人客に人気のスポットの一つが、日本独自の文化ともいえる大衆居酒屋だ。
チェーン店を含め、居酒屋は全国に数多くあるが、とりわけ海鮮メニューを中心に、24時間営業で知られる大手居酒屋チェーン・磯丸水産は外国人客から高い支持を得ている。なぜ、外国人は磯丸水産に惹かれるのか。実際に外国人客の話を聞くと、円安で商品価格を安く感じられるようになったこと以外にも、外国人客を魅了するポイントがあるようだ。
24時間営業でいつでも入れる
フランス在住のAさん(30代男性)が日本に来たのは3回目。初回はYouTubeで見た日本の美しい風景を自分の目で確かめたいというのが訪日の動機で、実際に日本に来て大満足したという。その後、日本の食にも魅了されるようになり、グルメを堪能するなかで、特に気に入ったのが居酒屋だという。
「居酒屋はいろいろなメニューがあり、何を頼んでも安くておいしい。なかでも磯丸水産は日本らしさを感じられる刺身があって、目の前に置かれたカセットコンロで焼き肉みたいに魚介を焼けるのも体験としてユニークだと思います」
磯丸水産では、白蛤、ホタテ、イカ、赤海老など、新鮮な魚介を自分で焼いて楽しむ「浜焼き」が名物メニューで、日本人客のみならず外国人客の人気も高い。そこに加えて、Aさんが大きな魅力を感じているのは「24時間営業」(一部店舗を除く)である点だという。
「ヨーロッパでは基本的にバーやパブは夜しか営業しておらず、昼間からお酒を飲めるのは基本的にレストランのようなかしこまった場所です。磯丸水産は24時間営業しているので、昼過ぎにちょっとした休憩感覚で入ってもいいですし、夜ご飯を食べるために入ってもいい。便利なので、日本人が多く利用するのもわかります」(Aさん)
訪日は2回目というオーストラリア在住のBさん(30代男性)も「カフェみたいに使えるし、いろんな飲み物や食べ物があって家族連れでも重宝。子供にはコーラを飲ませておけるしね」と言い、その気軽さは大きな魅力として映っているようだ。