第一は、公的制度を利用して収入を増やす方法だ。
国や自治体の制度には、定年後も働く人に支給される「高年齢雇用継続給付金」など多くの種類の「手続きすればもらえる給付金」がある。金融庁の報告書案には触れられていないが、こうした“タダで国からお金をもらえる制度”をフルに活用すれば70歳までに数百万円得することも可能だ。
第二は、支出の見直しだ。これは「我慢する=節約」という意味ではない。高齢者の家計には、税金・社会保険から生命保険、医療費、住宅費など“必要以上に払っているカネ”が多い。働き方や年金のもらい方を工夫し、無駄な出費を減らすことで生活水準を下げることなく老後の支出を抑えることは十分可能だ。
「入り」を増やして「出」を減らせば「資産寿命」は延びる。30年間の不足額2000万円をカバーすることも不可能ではないのだ。
※週刊ポスト2019年6月14日号