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理不尽すぎる扱いを受け続けた「氷河期世代」に救いはあるか

就職氷河期世代が背負わされた十字架とは

 中高年のひきこもりに関する報道が増えている。76歳の親が44歳の無職の息子を刺殺したかと思えば、50歳の無職の息子がバットで隣の家を叩いているところを80代の父親が警察に通報し、息子が警官の顔面を殴って逮捕されるなどしている。高齢の親が中高年のひきこもりの子供のことを心配する連鎖が広がっているのかもしれない。

 政府はいわゆる「就職氷河期」世代に対する対策の検討を開始し始めた。「人生再設計世代」と言い換えるほか、「就職氷河期世代支援プログラム」により、これからの3年間で30代半ば~40代半ばの氷河期世代の正規雇用者を30万人増やそうとするというのだ。

 だが、まさにこの世代の人々からは「もう遅い」という声が出ている。第二次ベビーブーム(団塊ジュニア)世代でもっとも人数が多い1973年生まれ(人口209万人)のネットニュース編集者・中川淳一郎氏は、同年代に生まれた人々と会うと必ずしみじみとした空気になるという。

「私が直接、会う人は仕事をしている人ばかりなので、当然ひきこもりではありません。でも、昔の話をした時は絶対に『人数が多過ぎて本当に損する年に生まれたよな……』という話になります。一方、多くの“同志”が社会から脱落していく現実について『この無職が!』などと言う気になれないのです。むしろ『彼らが別の年に生まれていればひきこもらないで済んだのに……』といった話になります。昨今のひきこもり中高年報道に対しては、シンパシーを覚えがちです」

 この世代は、少し上の世代がバブル期の好景気によりいわゆる“一流企業”の内定を次々と取っていったり、高額のボーナスをもらったりしている話も知っている。しかし、大学に入った時はすでにバブルは崩壊しており、卒業が近づくと就職氷河期に突入した。

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