セクハラ被害に性別は無関係。日本労働組合総連合会の調査によると、就活男性のセクハラ被害の多さが浮き彫りになっており、20代では5人に1人が被害を受けていたという。さらに被害は就活だけにとどまらない。社会人になってからセクハラ被害を受けたことがあるという男性社員たちから、本音を聞いた。
体育会系出身の20代会社員・Aさんは、会社の飲み会での女性社員とのやりとりに、「めんどくさい」と感じたことがあると言う。
「『彼女いないの?』『結婚する予定はないの?』はまだいいんですが、『筋肉触っていい?』と聞くやいなや、こちらの回答も待たずにいきなり触ってきて……。酔っているとはいえ、複雑な気持ちになりますね」(Aさん)
30代会社員・Bさんは、「男らしくない」「男のクセに器が小さい」などの言葉に対して敏感になったと話す。
「女性が多い職場だったので、先輩と同僚、後輩女性と一緒にランチに行くと、決まって先輩と同僚から『(後輩に)おごってあげなよ』と言われました。もちろん、おごるときもあるんですが、各自で会計をしてもらおうとすると、『器が小さい』『男らしくない』などとうるさいんですよ。僕は財布でもATMでもない……。かなり不快でした。“男らしさ”って何ですか?」(Bさん)
Bさんがセクハラと感じたことはそれだけではない。20代半ばで散々受けた「童貞いじり」も、心に傷を負わせたと話す。
「経験がないことに対するいじりって、男性に対しては何だか許される風潮がないですか? 男女逆にしたら大問題だと思いますし、男性が男性をイジる場合であっても、僕にとってはセクハラ。“男だから平気”みたいな感覚に違和感を覚えます。僕がこういうことを言うと、たいがい、さらに二段構えでイジってくるのも嫌気が差します」(Bさん)