10月1日からの消費増税にあわせて実施されるのが食料品と飲料品の「軽減税率」だ。税率8%に据え置かれるわけだが、「食品は軽減税率があるから値段が上がらない。増税前に急いで買う必要はない」と思われている。
実際は違う。政府は増税前の“駆け込み値上げ”を奨励し、税率が上がらないはずの食品や飲料の値上げが相次いでいるからだ。
この4月から6月にかけて大容量のペットボトル飲料が一斉に1本20円値上げされ、食品では6月出荷分からカップ麺、ポテトチップス、アイスなどの値上げが続いた。食品の「軽減税率」を鵜呑みにして安心していると損をする。今までと同じ値段だと思ってたくさん買っていると、知らないうちに財布の中身がなくなってしまうのだ。
では、どうやって生活を防衛すべきか。10月から新設される給付金をフルに活用したい。
まずは「年金生活者支援給付金」だ。65歳以上の住民税非課税世帯で年金等の収入が約78万円(国民年金の満額)に達しない人に最高月額5000円が恒久的に支給される制度だ。対象者は全国900万人にのぼり、「夫の年金が年211万円以下、妻が国民年金」の世帯であれば、妻が給付対象になる可能性が高い。9月頃に申請書が送られる予定だから、手続き(返送)を忘れないようにしたい。
消費増税に合わせて市町村が発行する「プレミアム商品券」も見落とせない。購入した金額より25%上乗せされた商品券が発行される制度で、最大2万円まで購入可能で、その場合は2万5000円分の買い物ができる。今年9月から11月頃までに「引換券」が配られる予定だ。
さらに住宅のリフォームを考えているなら、「次世代住宅ポイント制度」がある。耐震補強、バリアフリー、断熱改修など工事内容ごとに最高30万~60万ポイントが付加され、家電から家具、防災グッズ、スポーツ用品や食品と交換できる制度だ。
※週刊ポスト2019年7月12日号