一方、日本は古い中央集権の政府がすべてを差配し、補助金や地方交付税交付金などをバラ撒いているから、地方がそれに依存して自助努力をしなくなっている。この状態で最低賃金を1000円に上げたら、前述したように地方の企業は苦境に陥る。私が経営者だったら、地方にいる意味がなくなるので、さっさと東京などの大都市周辺に会社を移す。最低賃金に大した差がなければ、企業は人口が多くて便利な所に立地するに決まっている。そうなれば、ますます地方経済は疲弊・衰退するだろう。
安倍政権は地方創生と言いながら、やっていることは全く支離滅裂だ。労働者=有権者を支援するように見せかけて、実際は無知なために地方経済と雇用を破壊しようとしているのだ。
※週刊ポスト2019年7月12日号