ちなみに同NPOの最新の移住人気ランキングは、1位が長野で以下、静岡、北海道、山梨、新潟と続く。
ただし田舎暮らしは決して“バラ色”ではないことも知っておきたい。
ガス代が高い!
昨年、東京から甲信越地方の山間部に移住した山田さん(64・仮名)が打ち明ける。
「地域に一軒だけあるスーパーは完全に定価販売で、東京の安売り競争を知る身にすれば、割高感がある。ガスもプロパンガスしかなく都市ガスより1.5倍ほど高い。もう少し事前に調べておけばよかった」
人によって向き、不向きもある。前出の高橋氏がアドバイスを送る。
「60代になってから移住するのであれば、“今、どこでどう暮らしたいか”だけでなく、“10年後に誰と、どこで、どんな暮らしをしたいか”まで考えておくべきです。また性格的な面では、地域に溶け込む努力ができない人、勝手気ままな人は向きません。人間関係の構築に自信がない人には、甲州街道沿いの山梨県甲府市、東海道沿いの静岡県浜松市といった歴史的に人の出入りが多くてよそ者に寛容な“街道が通っている地方都市”を勧めます」
移り住んだ土地が合わずに引っ越しを繰り返せば、貴重な老後資産を目減りさせることになってしまう。十分な下調べの上、決断を下したい。
※週刊ポスト2019年7月19・26日号