住んでみたい街の理想と現実には、得てして大きな差があるものだ。憧れのあの街は果たして本当に素敵な街なのか? まったくノーマークだけど、実は住みやすい街は? 今回は「越谷レイクタウン駅」(埼玉県越谷市)について、ライターの金子則男氏が解説する。
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SUUMOの「住みたい街ランキング2019」で注目したいのが、「越谷レイクタウン駅」のBEST100入り(75位)です。BEST100位内には、2004年開業のみなとみらい線や2005年開業のつくばエクスプレスの駅もランクインしており、歴史の浅い駅が上位に入るのは珍しいことではありませんが、新駅開業(2008年)から10年でのランクインは快挙です。他に類を見ない巨大モールの街”の住みやすさを検証してみましょう。
鉄道はJR武蔵野線のみ。都心部に出るには基本的に乗り換えが必要です(京葉線経由で東京駅まで1本ですが、乗り換えたほうが早い)。昼間は電車が来るのは10分に1本ですし、終電も早め。おまけに、最近は改善傾向にあるものの、風に弱い路線としても知られており、強風時には遅れが出ることもあります。路線バスも弱く、公共交通機関の魅力は乏しい街かもしれません。
道路状況も微妙、しかも条件付きです。計画的に作られた街なので、きちんと歩道がある道が多く、近くを走る外環道で、都心に出ることなく行楽地に向かうことができます。外環道の千葉区間が開通し、湾岸道と繋がったことで、ディズニーランドや房総方面などは大幅に時間が短縮されました。ただし、週末、GW、お盆やお正月などは驚くべき数の人が訪れ、周辺一帯は恐ろしく混みます。現在は異常に広い中央分離帯がありますが、そこに自動車専用道ができる予定なので、それに期待するしかありません。