スマートフォンの普及で、1兆円市場へ成長したとされる占い市場。対面形式だけでなく、アプリやチャット形式の占いも多くの人に受け入れられている。利用者はどんな心理で、占いにハマっているのだろうか。
「主治医」と「セカンドオピニオン」
20代半ばの女性・Aさんは、約3か月に一度のペースで占いを訪ねている。一度の鑑定は、30分で3000~5000円と決して安くはない。いつも決まって見てもらうタロット占い師もいるが、口コミ情報をもとに占いを渡り歩くこともある。友人たちと近くの飲食店を予約して、代わる代わる対面の鑑定を受けながら、占い結果を共有し合うことが多い。
「相談内容は、恋愛と仕事についてがほとんど。具体的な相談をしていないのに、直近で怒った出来事を言い当てられると、『信頼できる占い師だ』と思ってしまいますね。姓名判断や手相占いなど手法は異なったとしても、占いは長年研究されてきているもの。異なるセンセイであっても、大きな運勢の流れなどについては、同じことを言われることが多いですが、恋愛、総合運などセンセイによって強みが異なるので、アドバイスや視点の新鮮さも異なる。メインでお世話になっているセンセイのことを『主治医』、他のセンセイの意見を『セカンドオピニオン』と呼んで、鑑定結果を楽しんでいます」
「後押しをしてもらいたい」気分の時にアプリで占う
占いアプリに1か月で約4000円課金しているというのは、30代女性・Bさん。有名占い師の専用アプリ2種類、大手プラットフォームが運営するアプリの3つを併用している。無料サービスでは、優しい言葉を投げかけてくれる某占いの更新が、毎週の楽しみの一つだ。
「最初はアプリでの占いに懐疑的でした。ただ、一度試しに占ってみると、対面での鑑定結果とほぼ同じで、アプリとは思えないほどのサービスの質の高さに感動しました。反対に良くない占いアプリは、対面鑑定の占い結果と全く異なる結果が出る場合です」(Bさん・以下同)
毎日の運勢など一部の占いは無料だが、毎月の運勢や年上半期の運気、さらには「二人の相性」「次付き合うのはこの人」「あなたの天職」などのテーマ別の占いは、数百円から数千円ほどかかるケースが多いという。